お説教とマドレーヌ

忘れたくないこと。トキめいちゃったら投稿します。

未来 その向こうへ──再考 SYF札幌

はじめに

一つ前の記事の続き。
追記のボリュームではないので独立した投稿に。

nn6cy.hateblo.jp

ユノハナプロローグ(初回生産限定)

ユノハナプロローグ(初回生産限定)

もくじ

ブログ投稿から3日後……

「未来の彼方」の歌詞が見られ、BGMが聞けるとのこと。これは行くっきゃない!

ということで、8/15と8/16の2回にわたって秋葉原とらCを訪れた。

基本的に撮影可能なイラスト展にあって、歌詞掲載コーナーは撮影禁止。さらに、8/16には前日には無かった「メモ・録音等も禁止」との張り紙まで。そんなわけで、以下に書き連ねることはあらゆる記録媒体を一切使用せず、記憶のみに基づいたものである。

──こう書くとなんだかネタっぽいが、掲載されている歌詞の書き写し等は本当にしていないよ。

2019/05/05 追記 もう昨年(=2018年)の話だが、iTunesにて『未来の彼方』が配信されたことにより、歌詞サイトへの掲載もされるようになった。

草津結衣奈(高田憂希)、尖石内湾(安齋由香里) 未来の彼方 歌詞 - 歌ネット

再考 未来の彼方

先にBGM。改めてよくよく聞くと、前奏なんかは特にピッピコしていて、初披露では全然汲み取れなかったけどしっかりIOSYSしていた。メロではエモ定番のピアノが前に出てくる。

そして歌詞を一通り読んで。先に結論を述べると、やはり現在のSPRiNGS、ひいては温泉むすめのことを歌った曲なのだという思いを深めた。

苦境からの脱却

この曲、基本的には前向きポジティブな曲なのだが、「諦めない」「(「夜」を受けての)夜明け前」など、節々に苦しい状況があったことを思わせるようなワードが使われている。もちろん、苦しいだけでなく、そのことに屈せず前進し続けるという意味も含めて。

そのような場面が進展し、好転した様相の「雨上がり」という言葉も。SPRiNGSも、デビューから今まで一直線に順調に進んできた訳では、決してなかった。

「いま・ここ」ということ

未来の彼方を目指して再スタート、新たな一歩を踏み出すのは、まさに今現在。この曲にはそのようなニュアンスがふんだんに散りばめられている。 (未来は)~~になるから、(今)○○しよう、という呼びかけなど。

Here and Nowを歌った曲としては『70億分の9の奇跡』も思い浮かぶ(『未来の彼方』にはまさに「一億」というワードもある)が、『未来の彼方』には温泉むすめを取り巻くファンも構図の内にいる(「一億」ではなく「君」に届ける)という点が、70億とは大いに異なる点だ。今この場を共有するファンにも向けられた歌。それは、呼びかけにより始まったワイパーで会場が一体となることにも現れているように思う。

SFY札幌での披露

このような曲は、(仮に完成していたとしても)3rd葛飾ではなくSYF札幌で歌うのが綺麗であった。遠藤さんから変わっての佐伯さん、ではなく、葛飾とYFを経ての、佐伯さんとしての佐伯さん。そしてメンバーの欠けがないSPRiNGS。『未来の彼方』は後述するようにSPRiNGSの曲ではなく温泉むすめ全体の曲ではあるのだが、全員揃ったSPRiNGSによるものが初披露である、というのはある種今までSPRiNGSを追ってきたファンへのご褒美なようにも思う。

橋本Pの言葉

と、ここまで個人的な解釈をつらつらと述べてきたが、実は歌詞の掲載には続きがある。温泉むすめのプロデューサーである橋本竜氏の挨拶だ。

そこで書かれていたことは2つ。『未来の彼方』は温泉むすめの応援歌であり、それをSPRiNGSが初披露したということ、それと、『未来イマジネーション』『Hop Step Jump!』と繋がる曲であるということだ。1このことを鑑みても、第1部で『Hop Step Jump!』を歌ったのは必然だった。

『Hop Step Jump!』は必然だったし、それと対になる『青春サイダー』も必然、9人であることを新しい形で提示した『SILENT VOICES』『おはようジャポニカ』『ロマンスの林檎』も必要だった。

──それでは、『Ambition』って?

再考 Ambition

正直に言えば、近頃聞く機会の無かった曲を聞けてラッキーだった、あるいは、赤黒衣装で登場するための選曲、などとも思っていた。しかしながら、『未来の彼方』の歌詞を読み込んで、改めて思い返す『Ambition』に思わずハッとさせられた。

同じ苦しみを背負う(仲間がいる)
今分かち合う痛みを 繋いで

 

冷たい風に吹かれて(乾く涙)
まだ情熱は消えない そうだろう?

 

さあ 未来(あす)を越えて羽ばたこう

『ユノハナプロローグ』が発売された当初は(個人的な捉え方としては)様々な歌のバリエーションの一つだったが、1年半の歩みを経て、『未来の彼方』とも共通する「不屈」の歌になんと具体性が帯びていることか。

そして大トリのフレーズがこれである。

ねぇ 会いに行くから待ってて!

自らのことを歌う曲が多い『ユノハナプロローグ』にあって、明確にファンを狙い定めた歌詞だ。『Ambition』もまた、『未来の彼方』によって新たな意味をもたらされた曲だ、と個人的に思った。

おわりに 温泉むすめとSPRiNGS

『未来の彼方』は(SPRiNGSではなく)温泉むすめの曲である。このことについては正直に言えば余り立ち寄りたくない。が、敢えて言えば、発足から今までにおいて、温泉むすめの中でSPRiNGSの存在がどれほど大きかったか、ということであると思う。であるからこそ、SPRiNGSが初披露し、SPRiNGSの軌跡のアナロジーとして解釈し得た。

これからの温泉むすめにその担保は、恐らく無い。

まあそれでも、これからもSPRiNGSを追っていくのだけれど。


  1. 後者については、 前回の記事にて個人的にも触れている。「未来」を越えて「彼方」を見据えるというのは『未来イマジネーション』のアンサーソングとしてもわかりやすい。