お説教とマドレーヌ

忘れたくないこと。トキめいちゃったら投稿します。

憧れたステージへ ──1stアルバム『RiEMUSiC』・1stRiELiVE ~梨の季節~

はじめに

「1stRiELiVE ~梨の季節~」のパッケージ化はありませんよ、とのことで2017年あたりから1stライブのことを綴っていたらもう「2nd RiELiVE 〜梨の季節〜」当日だった。
ちなみに当日券があるらしいので今からでも来てください。パシフィコ横浜です。

以下、もう2年前の2016年の話から。

アルバムリリース決定

1stシングル『Sweet Sensation / Baby, My First Kiss』の発売イベントとして2016年7月2日にミニライブを開催し、『Anytime, Anywhere』『Breath』『MaGiK』のアルバム新曲を次々と初披露した後、1stアルバムが発売されることを発表した。

デビュー発表からまだ半年、そしてデビューシングル発売からまだ一ヶ月あまり。喜びの気持ちはもちろん持ち合わせていたが、アルバム発売が発表されたミニライブ内でアルバム新曲を3連続でサプライズ初披露された混乱もあって、感情の整理が追いついていないというのが正直な感想だった。
そんな中で覚えているのは、1stアルバム近日リリースの発表はミニライブ内が初めてということで、公表するまではネット等に書かずに秘密にしていて欲しいと本人に言われたことだ。ミニライブ終了からTwitterでの発表までのたったの1時間、村川梨衣さんと秘密の共有をしたような気になってなんだか嬉しかった。

ライブ開催決定

1st LiVEの開催が発表されたのはりえぷり公録の2016年11月12日。この日は1stアルバム「RiEMUSiC」の発売日も公表された。

余談だが…

公録には無事当選することができた。いつも通りの収録とのことで、1人喋り1本撮りの新鮮さでアーティスト活動や出演作品・イベント等の話を気兼ねなく出来る場というのはとても貴重だと思うし、動画ラジオで賑やかにラジオをやっているのが好き、というファンも多いだろう。この後にりえぷりはアニラジアワード第3回 大笑いラジオ賞 一般の部も見事獲得した。

アルバム発売~ライブ前夜

www.youtube.com 2016年12月からはアルバム発売に絡むリリースイベントがはじまったり、アルバムの話をする動画「週刊RiEMUSiC」が毎週投稿されたりとアルバム発売に向けての盛り上がりを見せ、2017年1月11日、いよいよ1stアルバム『RiEMUSiC』発売──。

個々の楽曲については後ほど。ちなみに、アルバムの曲順は本人が提案したものであり1、アルバムの曲順で聴き通して欲しい、といったことは度々発言している。 特に言及しているのは11曲目のSweet Sensationで、アルバム曲を経て改めて感じたこの曲への原初性を最終曲『夜明けの恋』の1曲前という曲順に込めたという。2
アルバムのタイトル『RiEMUSiC』について。1stシングル『Sweet Sensation / Baby, My First Kiss』から村川梨衣さんは「リエミュージックというジャンルを作りたい」という大きな野望を抱いていて、今回のアルバム名もそこに寄せたものである。3ジャンル「リエミュージック」についてはこれも後ほど。
ジャケットについて。

コンセプトとしましてはやはり、アルバムのタイトルが「RiEMUSiC」ということなので、クラシックな、クラシカルなものを基調とした衣装になっております。
実はですね、小道具的なところも、チェロだったりとかバイオリンですとかあったりとかするので、こう、クラシカルな、お衣装となっております!

(週刊RiEMUSiC Vol.2)

この言葉は、自分が歌う曲に対して村川梨衣さんはどのようなイメージを抱いているのか、を表すものとして割と重要なのではないか、と思う。「RiEMUSiC」とクラシカルな印象というものがシームレスに繋がっている、のだろうか。

また、この時期の記憶として思い出されるのが、1月14日の秋葉原とらのあなインストアイベント。村川梨衣さんのイベントに初参加として挙手した3人それぞれに、アルバムのどの曲が好きか、と本人が直接聞く。最初の二人は何らかの曲を答えるも、最後の一人はまだ聞いてないのでわからない、と。その言葉を聞いてひどく落胆した様子の村川梨衣さんを見たとき、ああ、この人は本当に全力の本気でこのアルバムを世に送り出したのだな、と改めて強く実感したのであった。

1月・2月・3月は村川梨衣さんのイベントがとにかくほぼ毎週のようにあり、ミリオン4th武道館のような大きなイベントもあった。そんな訳で、村川梨衣さんのことをふらふらと追っかけていたら、気付けばライブ目前といった所感であった。

3月31日、ライブ前夜。村川梨衣さんのTwitterが動き出す。 togetter.com twitter.com (それっぽいものがなかったので自分でTogetterにまとめたらTogetter凍結騒ぎがあったため一応モーメントでも同じものを作った。)

各楽曲のイメージカラーについては、リリースイベントやりえぷりで何度かされていたものの、全ての曲が決まっていた訳ではなかった。ミャーさんのブログ記事で「色決め会議」前後の推移が確認できる。 ameblo.jp ameblo.jp

ライブ当日・開演まで

ライブイベントに欠かせないものと言えばライブグッズ。

4/1(土)・2(日)開催!“1st RiELiVE 〜梨の季節〜”にてグッズ販売が決定!! | 村川梨衣 | 日本コロムビアオフィシャルサイト

剣型ペンライトは武器ではなく、扇(武器)こそが武器だ、とは本人談だが、これは1月13日のタワレコインストアイベント(だったと思う)でどのようなグッズを出したいかという話をしたことに繋がっていて、村川梨衣さん本人が希望したものだ。また、7色のライブTシャツは、色は違えどレインボー4を意識したものだと思う。

そして、パンフレット。ライブタイトルの「梨の季節」にちなんで春夏秋冬のシチュエーションで撮影をしている5とのことだったが、実際の掲載順は夏・秋・冬・そして、春。それはまるで、夏の日差しみたいに鮮烈なデビューを飾った6月1日のあの日から、今、まさに1stライブで花開かんとする村川梨衣さんのこの1年のようで。
そういえば、バースデーイベントも品川だったなぁ、なんて思ったりも。

1日目はA列(3列目)端、下手側。2日目は2階席。A列は本当に距離が近く表情の移り変わりが見てとれた一方で、2階席は遠かったがライブ全体の演出を掴むことが出来て、異なる視点を持てたのは良かったと思う。 (とはいいつつも、時間の経過によって1日目の公演と2日目の公演のどちらの出来事だったかあやふやな部分も多い。)

セットリスト

01.『Anytime, Anywhere』 ~02.『Dreamy Lights』~03.『Breath』

セッションライブ(リリイベのミニライブ)第1回、第2回、また、このライブより後にはなるが、超アニメディア劇場でも1曲目として選ばれた不動のオーバーチュアこと『Anytime, Anywhere』6 村川梨衣さん不在で前奏が始まり、バイオリンの音色が入り始めてから本人が舞台袖から現れる、という一連の流れが美しい。表情も凛とした面持ちを崩さずにいるのが神秘的だった。
バイオリンといえば、今回のバンド構成にはギター・ベース・ドラムス・キーボードにバイオリンが加わっていた。自分はバイオリンが加わるライブは今回が初参加だった。(その後まもなくしてRainbow at 日本武道館に参加するのだが。)
Anytimeは演奏や演出の美しさもさることながら、歌詞が今日この日のために書かれたのではないか、というくらいこの日・この場にふさわしかった。パンフレットに書かれた本人からのメッセージも、この曲から取ってきた「これ以上ないほど素敵な日にしようね!!」だ。

Anytimeの演奏が終わって『Dreamy Lights』の演奏が流れ始めると、途端に満開に咲いた笑顔を村川梨衣さんは見せてくれる。 1日目は特にステージに近かったため、その表情の移り変わり、1曲1曲で異なる感情の入れ込みを見ることができた。 AnytimeやBreathに続いて始まりを歌ったこの曲、これら3曲が同時に収録されているというところに1枚目のアルバムらしさがあるが、3曲とも主題も曲調も全く異なるのが素晴らしい。そんな中でDreamy Lightsはアルバム表題曲ということもあり、基本的には夢に向かって歩みだしていく、という真っ直ぐ素直でわかりやすい曲だと思う。7

www.youtube.com アルバムとしてはリード曲ということもあり、MVが制作されている。「夢の中を見てみよう」というコンセプト8のもと、「明るい昼」と「暗い夜」の対比で映像は進んでいくのだが、落ちサビでは、光に照らされた「明るい夜」が登場する、というところに物語性を感じた。

『Breath』は新たな一歩を踏み出す、という主題をAnytimeと共有しながらも、激しいバックミュージックを帯びて悲壮の決意を歌い上げるという、アーティスト活動初期からお馴染みの曲。新しい一歩を踏み出すときは辛く過酷な一面もあるのだな、と額面通り受け止めることが出来たのはAnytimeと同時に披露されたからこそであって、この曲単体で披露されていたら変に深読みして頭を抱えていたのだろうな、などと思ったりもした。
Cメロの「壊して 壊して」の部分、2回目の壊してのところで村川梨衣さんの力強い歌声を聞けるのが好きだし、その声を合図に演奏も盛り上がっていくという構図も良い。 アルバム曲としては一番初期に制作開始したとのこと。

MC1

開演挨拶と次のレクイエムが新曲であることの話をしたんだったと思う。

04.『レクイエム』~05.『MaGiK』~06.『夜明けの恋』

2ndアルバム『RiESiMFONiA』に収録される『レクイエム』(『RiESiMFONiA』では『レクイエム -Requiem-』)をここで初披露。この曲はこのあとセッションライブ第3回・第4回やHoly Party Night、他各種リリイベでも触れられ、歌われていく人気曲となる。
(ライブで演奏した)曲としてはBreathやMaGiKと同系統の、ロック調の激しい曲。このライブでサプライズ的に初披露だったので事前の色決めは無かったが、舞台照明の演出により自然と客席も赤一色に染まった。

『MaGiK』はAnytime、Breathと並ぶ初期曲。この3曲はアルバムの曲順でも最初の方に位置し、ライブでもそれぞれの曲が省略されることはあれど、この3曲の曲順が前後することは(これまでには)ない。また、セットリストの序盤に来るという点も共通している。
前述した通り、AnytimeとBreathは始まりということの光と陰・明と暗である対の曲と捉えているが、このMaGiKは村川梨衣さん自身をテーマにして作られた曲9として、セッションライブ第1回で歌われたことの意味があると思っている。
さてこの曲、ライブではBメロ終わりの「魔法を今かけるよ」からサビの間で恒例のリエ☆マジックポーズをするのが恒例となっている。このポーズを見られる機会は今ではなかなか貴重になってしまったが、こういった昔から変わらない点に村川梨衣さんは村川梨衣さんのままなんだ、などという感情を覚えてしまう。
余談だが、この曲は舞台いっぱいに動き回りながら歌っていて間奏ではエアギターをしたりバンドメンバーの邪魔をしたりとまさにこの曲のように自由気ままなのであるが、1日目は下手側いっぱいのとこまで来てのリエ☆マジックだったため、「ココロメロメロにするキュートマジック」を間近で直に浴びてしまった。

MaGiKまでがほぼアルバムの曲順だったために、アルバムの最後に収録されたバラードである『夜明けの恋』がここで来るのは驚いた。
落ちサビの「白い光 部屋に満ちる~」から歌の進行に合わせて白の照明が強くなっていき、歌い終わると村川梨衣さんが光の中に消えていく、という演出が素晴らししい。ここは2階席から舞台を俯瞰的に見ることが出来て良かったと思った場面の一つ。
ディレクターの井上さんが村川梨衣さんのために書き下ろした曲で、レコーディングは1発OKだったが、その後完成するまでの期間が長かった、とのこと。10 アーティストデビューへのラブコールを送った当人である井上さんがこの曲を用意したということのメッセージ性。

MC2. なし坊とかおり

色々喋ってた。

07.『Eternal』~08.『恋のパレード』

メイド服からピンク基調に水色リボンのついた衣装にここからチェンジ。そして頭にはヘッドマイク。サイバーなBGMをファルセット主体で歌い倒すという、村川梨衣さんの楽曲群でも異色の『Eternal』。ライブでは曲の印象に違わぬ、「静と動」が印象的なクールなダンスを纏い、全編振り付けで披露された。

Eteanalに続いて『恋のパレード』もヘッドマイク装備で全編振り付けだったが、カッコよさに振り切ったEternalとは対称的に、恋パレは可愛いふりつけのオンパレード。前奏・間奏のアゴにグーの両手を添えて首を振るだとか、恋のキューピッドが弓矢を引くだとか、「オオカミさえ恋をする」で耳をぴょこぴょこするオオカミだとか……。 この曲は、曲名を本人が考えたり、歌詞の世界観を作り替えたり、などと多くの面で本人のこだわりがある。11

さて、ライブで披露した全曲のうち、この2曲はダンス主体でパフォーマンスされた。ライブ直後は個人的にやや複雑な思いがあったが、

「りえしょん自身も踊るのは好きだし、あとは、色々なRTPT等もろもろのイベントを通して、やっぱりみんなも結構りえしょんのダンスが好きということを知った。」
「りえしょんも記念すべき1st RiELIVEだし、どうにか、ガッツリ、Eternalと恋するパレードは、ヘッドセットにもなりまして。」
「あれだけガッツリ踊った曲は、今回のセトリ的にも限定的だった。」

村川梨衣のaりえしょんぷり~ず ♡ 2017.04.18)

Baby, My First Kissや、ともすればリトライ☆ランデヴー、ミリオン各曲からのファンの声を聞いての、村川梨衣さんの希望した表現の姿勢だったのだと思うと、自然と腑に落ちた。

MC3

ヘッドマイクから手持ちのマイクへ。前2曲の話や衣装チェンジの話をしたはず。

09.『クリームソーダとエンドロール』~10.『戻れない旅』~11.『ドキドキの風』

Eternalとともに他の楽曲とは印象が異なる、として取り上げられることの多い『クリームソーダとエンドロール』。また、「色決め会議」では、当初本人が発案した緑・赤・黄色・青から、ファンの提案で1階席緑・2階席白へと変貌した曲。どのようなイメージで「緑・赤・黄色・青」と決めたのかはわからないが、この曲は村川梨衣さん自身が希望してアルバムに収録した曲だ。 12そのような本人自身に思い入れの強い曲をTwitterを介した双方向的なやり取りでファンの希望に沿うような色構成に変更した、ということが(近頃は本人のTwitterも発表・告知以外の割合が少なかったこともあり)嬉しかった。 ライブでは、サビで腕を横・横・縦・縦に動かす振りが印象的だった。エンドロールを表していたのだろうか。

その「色決め会議」では、色に込めた想いを語った曲、『戻れない旅』。1stアルバムで(そして、1stアルバム以降の曲も)制作に関わらなかった曲は無いと言い切る13程にどの曲にも思い入れやこだわりがある村川梨衣さんだが、この曲はとりわけその想いが強いのではないか、と思っている。14
ライブ前、この曲はアルバム新曲の中では一番好きな曲だった。そのメッセージ性もそうだが、控えめな演奏を背に村川梨衣さんの芯の強い歌声が聴ける、という点がなによりの理由だった。改めて考えると、村川梨衣さんの楽曲にはライブにおいても歌声や歌詞を聴かせに来るという曲が多い。 ライブ当日はそんな力強い歌声にただただ聞き入っていたように思う。

2ndシングル表題曲、『ドキドキの風』。1stライブの時点で発売から5か月経っていたが、ライブで披露されるのはセッションライブ第2回に続いて2回目だった。前記事でも少しだけ触れたが、この曲はCDで聞いたときと実際に生で聴いたときのサビ、特にファルセットに移る前の「羽ばたけるよ」「その声へと」やCメロ「綺麗に輝いてた」の迫力が段違いで、ライブで一気に好きになった曲だ。アップテンポで盛り上がりつつも、じっくりと聴かせる曲という構成もまた良い。
アルバムでは3曲目、Dreamy LightsとBreathの間に位置する。羽・風・翼といったイメージでこの2曲の間を繋いでいるのか、などとは思った。

MC4

この位置だった自信はない(、が恐らくここのはず)。次が最終曲であることや体感5分だったみたいな話をここでした。はず。

12.『Sweet Sensation

締めを飾るのは村川梨衣さんのデビュー曲Sweet Sensation。セッションライブの第1回・第2回に加えて初舞台だったアニソンCLUBやバースデーライブ、アニサマ2016でも歌われた、村川梨衣さんのこの1年の代表曲だ。
タイアップ先の『12歳。』に寄せたこともあり、甘酸っぱさに儚さや切なさといったテイストを加えたこの曲。一方で、ライブのシーンでは1曲歌うならこの曲、と場数を重ねていくうちに村川梨衣さんの煽りや掛け合いも増えていき、村川梨衣さんの楽曲の中でも抜群に盛り上がる本当に楽しい曲となった。

「いつまでもここで会えますように」と歌い上げたところで会場は一度暗転。

Enc1.『RiEtion please♡』

アンコールの定番、ライブTシャツに衣装チェンジ。そしてこの曲『RiEtion please♡』は2ndシングルカップリング曲だが、ライブでの披露はここが初めて。
正直に言ってしまえばドキ風のカップリングで本人が作詞したりえぷりのテーマソング、以上の感想はなかったのだが、実際にライブの場で聴くと、なだらかな曲調に加え、りえぷりが始まったかのようなアットホーム感、とでも表現すればいいのだろうか、安心感のようなものに包まれて、この曲を聞き終わったときには変に浮ついた気分もなくなっていた。今思い返してみれば、次の曲をしっかり聞けたという意味でもこの位置にRiEtion please♡が来たのは本当にありがたかった。 「教えて恋の素数」で101を描いていたし、「夢の綴りはこう書くの(RIETION)」も綴っていた気もする。(綴っていないかも)

MC E1

アンコールありがとうと、Tiny Tinyを初披露するという話。そして大切なのが、グッズ紹介も兼ねてペンライトを取り出し、Tiny Tinyに黄色を指定したこと。

Enc2.『Tiny Tiny

初披露の3rdシングル曲Tiny Tiny。個人的にこの曲にはこの1stライブの後にも何度も救われることになる。
ライブ1日目はスピーカーとの位置が悪かったのか、音量調整の問題か、バックミュージックの音が大きく歌詞がほとんど聞き取れなかった。聞き取れなかったが、サビの「全てに ありがとう」「この気持ち 大切にずっと」や「歩いてく まっすぐにずっと」の抜群に力強いハイトーンは演奏に打ち勝っていたし、そこの部分だけでもう好きになってしまった。ライブ2日目は2階席の中央だったと言うこともあってか歌詞も格段に良く聞けて(とはいっても断片的にしか記憶には留められないが)、この曲はとんでもないぞ、と肌感覚で思わされた。
そして、村川梨衣さんの指定したこの曲のテーマカラー。『戻れない旅』と同じ、背中を押す、希望の黄色だ。もちろん、『戻れない旅』と同様の意を安易に汲みとるのは良くないとは後々思いつつも、村川梨衣さんがこの曲に掛ける想いの一片を感じ取れたように思った。

ちなみに、アルバム発売時期に配布されたリーフレット「月刊RiEMUSiC」にはこんな言葉も載っていた。

──1stアルバムを発売して『RiEMUSiC』を炸裂させてから約3ヶ月後の4月1日、2日がワンマンライブですと。新生活のスタートにRiEMUSiC浴びとけ!っていう。
うぃ~~、そのとおり!もう、めちゃくちゃ元気になってもらえると思います。『よ~し、新生活頑張っちゃうぞ~』みたいな。そういう、希望に満ちあふれると思いますね。控えめに言って、このライブは日々を生きる活力になると思います(笑)
(月刊RiEMUSiC)

MC E2

グッズ紹介の続きとして扇(武器)を取り出す。そして扇(武器)を手にしたまま最後の曲へ。

Enc3.『Baby, My First Kiss

アンコールラスト、本当に最後の曲はデビューシングルもう一つのA面曲Baby, My First Kiss。ああ、この曲を、1stライブのこんなに大切な位置で聴けるなんて。
サビでは新たにウェーブが加わりつつ進行し、Cメロの「舞い上がる花びらが教えてくれたんだ」の部分ではハート型の切り抜きが会場内に舞い注ぎ、ペンライトのピンクに染まった会場と合わさるとそれはまるで桜の花びらのようで、本当に美しく幻想的な光景だった。
前記事でも語ったが、この曲は私にとっては村川梨衣さんに繋ぎ止められた、ファンとしての心の原動力だ。
Sweet Sensationに比べると歌われる機会は少なかった(バースデーライブとセッションライブ第1回)が、この曲も段々と様変わりをしてきた曲だ。客席へのフリの部分はバースデーライブがきっかけとして生まれたもので、村川梨衣さんとファンが一緒に作り上げた曲という一面もある。だから、この日のベビマイはあの日のベビマイとは見せる姿も積もる想いも違うのだ。涙を見せたあの日から約1年、満開の笑顔で村川梨衣さんは舞台に立っていた。

終わってみれば、1stシングルの2曲で締められた「1stRiELiVE ~梨の季節~」。アーティスト・村川梨衣のデビューを世に知らしめる盛大なセレモニーであったと同時に、アーティストデビューからの、あるいは、それ以前の声優としての軌跡をファンに示したイベントであった。

おわりに ジャンル「リエミュージック」

──もう野望があるんだ(笑)。
ははは! そうなんです、実は野望を持っていて、『RiEmusic』っていう音楽のカテゴリーを作りたいんです。「好きなジャンルは?」『うーん、ロックも好きだけど、やっぱりRiEmusic?』みたいな(笑)
(CUT 2016 JUNE)

デビューシングルの『Sweet Sensation / Baby, My First Kiss』から語っていた、ジャンル「リエミュージック」。一ジャンルを築き上げたいという本人の言葉を額面通りに受け止め、応援するというのは正直に言えば難しいところもあったが、この「1stRiELiVE ~梨の季節~」やこのライブの後に発売された3rdシングル『Tiny Tiny / 水色のFantasy』あたりから、強く感じ始めたことがあった。 それは、村川梨衣さんの歌う曲は、村川梨衣さんだからこそ意味があり、村川梨衣さんが歌わなければ成り立たない、ということだ。 村川梨衣さんにしか歌えない「リエミュージック」──これは本人の語るところとは意味が異なってはしまうが──をこれからも追いかけ続けたい、と思わせた1stライブであったのだ。
そんな『Tiny Tiny / 水色のFantasy』の話はまた別の機会。いい加減Tiny Tinyの話もしたい。


  1. 月刊RiEMUSiC, 月刊声優グランプリ 2017.02

  2. 月刊声優グランプリ 2017.02 また、BENOA銀座リリースイベント(2016.12.25)でも言及していた気がするがしていないかも。

  3. 「でも、1stアルバムだからこその「リエミュージック」がアルバム名になったというところで、…(後略)」 (月刊声優グランプリ 2017.02)

  4. 好きな色に虹色を挙げることもある村川梨衣さんは、りえしょんレインボーという持ちネタ(?)があるなど、レインボーと関わりが深い。

  5. https://twitter.com/staff_rie/status/846331052230565889

  6. 村川梨衣さん本人も、アルバムの曲順として「物語の幕開けを予感させる、1曲目にふさわしい曲です。」(アニメージュ 2017.02) 「1曲目にふさわしい、始まりを予感させるような曲で…(後略)」 (月刊声優グランプリ 2017.02) と評する。

  7. 一方で「サビとかには若干のせつなさのような、いい意味で胸がギュッとなるようなインスピレーションも感じたんです。」(月刊Newtype 2017.02)とも。 恐らく落ちサビのことか。

  8. 週刊RiEMUSiC Vol.1

  9. SECRET of RiEMUSiC

  10. SECRET of RiEMUSiC, アニメージュ 2017.02 SECRET of RiEMUSiCでは、村川梨衣さんの中にある歌謡曲的なイメージを基に、サウンド・歌詞を始めとした曲全体の希望・要望を沢山出したことについて語っている。

  11. アニメージュ 2017.02, Voice Actress CRYSTAL, 月刊声優グランプリ 2017.02

  12. SECRET of RiEMUSiC, 月刊RiEMUSiC, アニメージュ 2017.02

  13. 月刊RiEMUSiC, Voice Actress CRYSTAL

  14. ベビマイと並び、楽曲制作チームと何度もやり取りしてアルバムでは一番制作に時間がかかった曲。(SECRET of RiEMUSiC) また、特に苦労した一曲として戻れない旅を挙げた。(声優アニメディア 2017.02)